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広島県の駅弁

 

 

山陽本線:福山駅 「福山ばら寿司」(浜吉) ¥1,000   

 

   

 

2003年10月の<のぞみ>福山停車を記念して誕生した、福山駅オリジナルの駅弁。パッケージや名称は単なるシャレではなく、福山市の花が「バラ」のため、それと中身を引っ掛けてネーミングしたようだ。余談だが、福山−広島を結ぶ高速バスの名称は<ローズライナー>で、郵便局にも「福山駅ローズ郵便局」というのがある。「鉄道唱歌 井原鉄道編」の最終章にも「総社を出でて、1時間 旅の名残りの井原線 福塩線に乗り継げば 上り福山 バラの街」と歌われる。

私は寿司は食べないので、この弁当は友人へのお土産とした(なお言い忘れたが、私は購入した弁当は必ず食しており、一部の付け合せを稀に残すことはあるが、最初から手を付けれない駅弁を一人旅の時に購入することはない)が、中身はいかにも福山市が誇る観光地、鞆の浦で採れたと思わせる海の幸をふんだんに使用した中身となっている。

 

 

 


山陽本線:福山駅 「福山観光 双六弁当」(浜吉) ¥1,100     

 

 

     

 

 

こちらも当然ながら福山駅オリジナルで、むしろこちらの方が「<のぞみ>福山停車記念」の色合いが強いようだ。9部屋に小分けされた中身は見てのとおり、海の幸に山の幸が勢ぞろいで、肉と魚が満遍なく配置されており、「幕の内弁当」と言いながら随分気色の異なった、欲張りな内容。松茸に加えて牛肉、タコと、下を見てもらえばわかるとおり、「浜吉」が誇る駅弁に使用するありとあらゆる材料を使った、「浜吉総合幕の内」とも言えようか。それでもって、「幕の内弁当」と称するだけに、「3種の神器」はしっかりと守るのだから素晴らしい。

食材もさることながら、「双六弁当」の名の通り、パッケージは福山の観光地をモチーフにした双六になっており、すぐに遊べるよう、フタの裏にはサイコロはもとより、コマまで用意されるというこだわりぶり。後述するが、元々三原の業者が福山に進出したこともあり、一刻も早く福山の人にもなじんでもらおう・・という、駅弁屋の気持ちが伝わってくる。

 

これだけの内容ならば「駅弁の達人」の対象なのも当然と言えば当然だが、唯一の欠点が、少々手に入りづらいこと。駅弁は糸崎の工場から運ばれることもあってか福山駅での販売は9:30(〜10:00)とやや遅めで、しかもこの駅弁は1日に30個程度でしか作らないらしい。もちろん「売り切れたらおしまい」なので、昼過ぎにはもう影も形も無いことが多く、確実な入手には予約が無難。しかしながら、なんでもない「幕の内」を他所で買うよりも、「今日は幕の内がええんじゃ!」と言うのなら、これを一番オススメ。

 

 

 

 


山陽本線:福山駅 「御弁当」(浜吉) ¥950

 

 

     

 

福山駅の復刻駅弁・・と言いたいのだが、正確には山陽新幹線全通1周年を記念して三原・糸崎駅で販売された、「浜吉」オリジナルの駅弁。何度も言うように、福山は当時と駅弁業者が代わったので、当時の復刻はムリだったようだが、三原駅の復刻駅弁は「たこめし」としたので、福山駅はこちらとしたようだ。

俵型むすびに三種の神器と言う、これまた正統派の「幕の内」だが、カマボコが正統派を思わす2切れあり、デザートにリンゴが採用されているのが大きな特徴。味はもちろん期待を裏切らない。上の「双六弁当」でも「幕の内」と称する「浜吉」だが、やはり本来の「幕の内」にイメージはこちらと言えるだろう。

 

 

 


山陽本線:尾道駅 山陽新幹線:新尾道駅 「尾道」(浜吉) ¥1,050

画像提供:Deguchiさん

 

 

       

 

尾道駅にやって来る優等列車は寝台特急だけ、新幹線駅も<こだま>だけにも関わらず、やはり西日本有数の観光名所、そして「瀬戸内しまなみ海道」の玄関口として駅弁は手放せない。そんなわけで上の2品が福山駅オリジナルなのに対して、こちらは「尾道駅オリジナル」というシロモノで、それがこの「尾道」。随分直球勝負の名称だが、中身はまあ普通の幕の内。

「名前に惹かれて買うと少々 幻滅しそうな気もあるような無いような。味はともかく、素材なり盛付けな り…もう少し「らしさ」があればよかったのですが。おかずの種類も多いわけ でもなく、割高感を感じるところです。」とは、購入されたDeguchiさんの弁。

尾道駅での駅弁販売は、改札外のキヨスク。街中には名物の「尾道ラーメン」も軒を連ねるだけに、なかなか駅弁にまで手が出ない部分もあるかも知れないが、「浜吉」の商品はどれも力作ばかりなので、どれかに手を出してみたいところ。

なお、内容とデザインコンセプトは同様で、描いているデザインを買えた「福山」という商品が、福山駅でも販売されている。

 

 

 

 


山陽本線:福山駅・三原駅  「松茸すきやき弁当」(浜吉) ¥1,050

 

 

 

 

こちらも比較的最近開発された駅弁。但し、こちらは三原駅などでも販売されているようだ。「浜吉」は広島県三原市糸崎町にある駅弁屋で、糸崎に構えているあたりが、当時の鉄道における糸崎の要衝ぶりをうかがわせる。従って本来の販売駅は三原なのであるが、2003年の1月14日、「松茸釜めし」「鯛ずし」などで有名だった福山駅の駅弁屋「鞆甚」があろうことに破産宣告を受けてしまい、3月にこの「浜吉」が福山に進出した。

福山市は人口400,000人を超える備後地方最大の都市であうが、「福山そごう」の閉鎖が暗い影を落としていた。その「福山そごう」が「福山ロッツ」として行政の支援も受けて始動・・といった矢先の破産劇に、駅長をはじめJR側の危機感が強く理解できる、「浜吉」の福山進出だったと言えよう。なぜなら、三原は広島支社のエリア(但し糸崎駅は岡山支社の管轄)であるからである。

しかし、元々福山駅は東京・博多行の<ひかり>が1時間に最低1本は停車する上、製鉄所などの工業が盛んな活気あふれる都市だから、駅弁がうまくいかずに・・などということはなく、実際のところは本業以外でコケたというのが真相のようである。これは本当かウソかしらないが、「浜吉」は福山に進出してからと言うもの、駅弁の売り上げが4倍になったという情報もあるくらいである。三原市の人口は90,000人ほどで、<こだま>しか停車しないこともあるが、それを考えると福山に進出したのは大正解だったと言えよう。

それで儲けたからこそ、前述の「福山ばら寿司」と言ったオリジナルの新製品が投入できたわけで、こちらの「松茸すき焼き弁当」もすでに催事などで高い評価を受けているようだ。

松茸が薄くスライスされていて、匂いもほとんど感じないが、小さく見えてボリュームはタップリで、レンジなどで温めなくても十分おいしく食べれるように工夫もされている。岡山駅の「武蔵」が悪いとは言わないが、今のところ中国地方の肉を使用した駅弁では他の追随を許さないのではないか?と思わせるような一品だった。

 

 

 


山陽本線:福山駅・尾道駅・三原駅 山陽新幹線:新尾道駅 「珍弁 元祖たこめし」(浜吉) ¥900     

 

 

      

 

 

     

 

三原駅の元々の代表駅弁。販売が開始されたのは昭和28年からという、大ロングセラー。八角形の容器に炊き込み御飯を詰め、その上にタコ・エビ・タケノコなどを載せる。ご飯のうまさはよいものがあるが、「浜吉」に関してはもっとうまい駅弁も多い・・というところか。同じ山陽本線のタコの駅弁ならば、後発の西明石の「ひっぱりだこ飯」の方がよいかも知れない。しかし、そこまで行く余裕がなければ、手を出して損はない。

なお下のシロモノは、三原駅の「復刻駅弁」。大きな違いはないが、タケノコの形などがやや異なるようだ。こちらにも「達人」シールあり。

 

 

 

 


山陽本線:福山駅・尾道駅・三原駅 山陽新幹線:新尾道駅 「瀬戸内の味 鯛の浜焼弁当」(浜吉) ¥950     

 

 

タイを使った駅弁とは贅沢なことだが、その割に¥1,000を切る価格が嬉しいところ。タイが丸ごと一匹・・と思ったが、そうではなく、タイの形をした容器の中に中身が入り、魚の骨も取り払われているので食べやすく、食感もまずまず。 苦手な食材ながら自分で食したが、その自分がそういう評価をするのだから、タイが好きな人にはたまらない1品としてオススメする。

なお、言い忘れたが、「浜吉」は元々は、尾道にあった旅館「浜吉楼」が始まりで、私鉄の山陽鉄道の開通に伴い尾道で駅弁を製造し、鉄道の要衝だった糸崎で駅弁を販売した。

現在は工場店舗も糸崎にあるが、糸崎駅そのものは最近退潮が激しく、10:30〜14:30は窓口係員がおらず、夜も19時前には閉めてしまい、三原はもとより福山へも進出するようになった現在、どこか皮肉に感じる。しかし商売は繁盛しているようで、工場も未明の3〜4時には稼動し、私も入手に際してムリをお願いしたらすんなり聞いてもらえるなど、駅弁屋のハートの熱さを感じ取ったことである。

尾道は新幹線が通らなかったため、芸予諸島への玄関口の代名詞を失ったが、「瀬戸内しまなみ海道」の接続で、その異名を取り戻した新幹線新尾道駅は<こだま>しか停車しないものの、駅周辺の開発は進んで、利用客は結構いるらしい。反面で、こちらでも駅弁が販売されていた東広島駅は、近くに広島空港が移転してきてからゴルフなどの客が途絶え、現在は販売していない模様だが、広島空港へも直営店を構えているとのこと。

 

 

 


呉線:呉駅 「幕の内弁当」(山崎屋) ¥700    

 

 

     

 

広島県の駅弁販売駅の中で唯一、優等列車が全く来ない駅で頑張るのがこの呉の「山崎屋」。広島県呉市は人口170,000人を誇る、造船などを中心とした工業都市。広島に近く、江田島などへの諸島や松山への船舶もあるため、町の賑わいは結構なものである。そしてご存じの通り、呉では戦時中、「戦艦 大和」を建造したことでもわかるように、かつてから重要な軍事拠点としても栄え、毒ガスを作っていた大久野島共々、呉線の列車が忠海やこの呉に差し掛かると、窓のよろい戸を降ろさせていたエピソードは有名。

駅弁の販売を開始したのがそんな戦争の最中の昭和17年、恐らく軍部の要請(すなわち国の要請)などで弁当の供給が始まったのではないかと推測され、それを今に伝える貴重な存在、というところだろうか。内容は特段変わらない幕の内だが、駅弁にしては珍しく、メニューが日替わりとなる、という話もある。

 

戦後も呉線経由の東京行などが走った路線だったが、新幹線の開通もあってか、新大阪〜下関のブルートレイン<安芸>の廃止後は呉線に優等列車が走らなくなった。それも呉の場面では「新大阪22:58→呉4:41」「呉23:59→新大阪5:36」という苦しいダイヤだった。

優等列車の全廃後も立派な駅ビルとバスターミナルが整備されて「キヨスク」委託の形で駅弁の販売が続けられてきたが、ここ最近は広島までの短距離客が増えて駅弁の販売環境に厳しさが募りだしたようだ。また、それ以上に現在の呉線の看板列車と言える快速<安芸路ライナー>の車両が、オールロングシート・トイレなしのワンマン103系が主力になったところへ、「広島・呉道路」、通称「クレアライン」の開通で、路線バスでも40分ほどで広島の都心・紙屋町へ直行できるようになり、このバスには呉市自らも参入するほど。

これらの複合的要因が売り上げに追い討ちをかけたようで、最近になって「キヨスク」から撤退したらしく、現在は駅前の店舗での販売に絞ったようだ。しかし、呉の今昔を今に伝える貴重な存在として、我々もせいぜい愛用していきたいと思わせる一品。駅弁としての環境は厳しいものの、訪れた時は店は仕出しなどの注文で忙しそうだった。また私は予約を入れて購入したが、とくにリクエストもしなかったものの、わざわざオマケまでご用意して下さるなど、「浜吉」に負けず、駅弁屋魂としてのハートは、全く失っていないことに感心した。

 

 

 


山陽本線:広島駅 「しゃもじかきめし」(広島駅弁当) ¥1,050(時価) 冬期限定

 

   

   

   

中国地方の駅弁は、全国的にやや知名度や影が薄いイメージがあるが、うまい駅弁は全国的にも「横綱」「大関クラス」にランクされ、言ってみるなら「極端にうまい」か「マズイ」なのかもしれない。そんな中、新幹線が停車するような大駅の駅弁の中で「張出横綱」くらいの評判があるのがこの「しゃもじかきめし」。広島の特産品である「しゃもじ」をかたどった容器がまずポイントで、家庭などでの再利用などにも最適。生かきに加えてかきのフライも添えられ、かきが大好きという人にはたまらない一品となるだろう。私はかきを食べないので正当な評価はできないが、食べてもらった広島出身の友人も文句なしの太鼓判。

それだけ味の評価が高いにも関わらず、マスコミなどでの認知度がそれほど高くない原因は、「冬期限定」というのがあるため。かきやふぐはどうしても冬期が最盛期になるのだが、それ以上にこの弁当は生かきを使用するため、夏場は材料の確保と言うよりも、炎天下での安全性に危険が大きいと言う部分が高いのでは?と思われる。なお、価格は¥1,000強とまずまずだが、HPでは「時価」と表示され、毎年価格が変わる模様。

 

 


山陽本線:広島駅 「活あなごめし」(広島駅弁当)  ¥1,260  

 

   

 

広島駅を始め、姫路以西の山陽本線の駅弁販売駅では、穴子を使用した駅弁を販売している駅が多い。その中で広島駅ではこの「活あなごめし」の他に、結構認知度が高い「夫婦あなごめし」の2種類が販売されている。コンパクトな箱ながら、ほどほどのボリュームでご飯と穴子の相性もまずまず。

広島駅の駅弁屋は戦争の頃に米の確保のため、複数者が1社にまとまった経緯がある。社名は「広島駅弁当株式会社」という直球勝負の社名だが、南口の駅弁ブースでは「ひろしま駅弁」としているのに対し、新幹線側はレトロ調の店舗で「あじろや」としている。「ひろしま駅弁」というのが新幹線の客に対してインパクトが薄いと言うのなら、いっそのこと社名を「あじろや」としては・・と思うのだが。広島駅弁当は、広島駅だけでなく、様々な仕出し弁当なども手がけているようで、広島市民球場でも売店を出して一部の駅弁を販売しており、もはや「駅弁」の範疇にはとどまっていないようなだけに尚更・・と思う。ただ、「基本は駅弁、この社名を守りたい」という気持ちも強かろう。

なお、広島以西では徳山、小郡(新山口)、下関、そして小倉(北九州)の駅弁屋が「駅弁当」という社名を名乗っているのは面白いところ。後、「しゃもじかきめし」や穴子のような特殊弁当を購入する場合は新幹線側の「あじろや」の方がやや入手しやすいかも知れない。

 

 

 

 


山陽本線:広島駅 「味めぐり 広島紀行」(広島駅弁当)  ¥1,260  

 

 

 

   

 

量の割に値が張るが、見てのとおり上品なイメージで高級な食材を使った駅弁。悪いシロモノではないが、この駅弁が「広島」を名乗るだけのインパクトに乏しいような気がする。さすがに量が多くないので、同じ¥1,260なら上の「活あなごめし」に手が出てしまうし、これ以外にもうまい駅弁があるので、「駅弁の達人」でなければ手が出まい。

また、その「達人」の対象の割に、意外なほど手に入りにくいのも難点。時間が合えば簡単に手に入るが、外れると全くダメと、ややめぐり合うのに当たり外れが多いので、確実な入手には予約を。

 

 

 


山陽本線:広島駅 「夫婦あなごめし」(広島駅弁当) ¥1,050

 

 

   

 

広島駅の駅弁では「しゃもじかきめし」と並んで、駅弁大会の常連。あなごを2匹にして、「夫婦」を名乗るのがこの駅弁のミソ。但し、上の「活あなごめし」とはあなごの調理方法も異なるようだ。自分でかけるタレもうまく、内容がシンプル・イズ・ベストで、価格も手ごろで手を出しやすい駅弁と言える。箱は長いが、ご飯の量はやや上の「活あなごめし」よりは少な目で、ボリュームが欲しければ上を、あなごをうまく食べたければこちらをオススメする。

 

 

 

 


山陽本線:広島駅 「広島上等弁当」(広島駅弁当) ¥945

 

 

     

 

2004年6月の、糸崎〜広島間開業110周年を記念して製作された駅弁。広島駅弁当が設立されたのは1901年で、今年で103年目。その当時の駅弁を復元・・ということから生まれたシロモノらしい。

今となっては「上等」とまでいえる中身かどうか難しいかも知れないが、当時は並の寿司が7銭、カレーライスが10銭だったのに対して、この駅弁は25銭と、相当高価なシロモノだったらしい。また当時は鉄道側からの指定も細かかったらしく、箱の大きさや中身なども自由に決めることはできなかったようだ。添付のレリーフによると、会社自身も復刻の過程で100年も前の世代の人の栄養バランスに対する考え方や食文化としての「弁当」づくりの思い入れの深さなどを教えられた、とコメントしている。

戦前の駅弁の復刻が難しい理由に、意外と「戦争で資料が焼失した」というケースもあるようで、中には駅弁屋の歴史そのものが曖昧にならざるを得なかったケースもあるようだ。現在の広島駅弁当の本社・工場は芸備線の矢賀駅の近くに位置するが、原爆の被害を受けた広島駅の戦前の駅弁を丹念に復刻させることが出来たということは、よほどキチンとした資料が残っていたのだろう。

さすがに積極的に手を出したいとまでは感じなかったが、丹念なつくりの割に価格もまあまあ手ごろで、そういう面で価値が高いシロモノと思うので、名物駅弁に育ってほしいと言う思いを感じた。

 

 

 


山陽本線:広島駅 「開運 おむすび海道」(広島駅弁当) ¥840

 

 

   

 

広島駅の駅弁の名物はやはりあなごとかきを使用した駅弁だが、意外と「おむすび」を使用した弁当の販売にも力を入れている。特に新幹線口改札外の売店「あじろや」では、注文してからおむすびを握るなど、こだわりがある。しかしながら広島駅弁当側の考えはどうもおむすびの弁当は「駅弁」という考えよりも、ピクニックや行楽のお供に・・という考えが強いらしく、やや「駅弁」の範疇から外れる部分もあるようだ。

「大関」「田舎むすび」には「駅弁」マークがなく判断が迷うのだが、店員さん曰く「箱に入っているシロモノは駅弁とお考え下さい」と言うことなので、まあ大目に見よう。但し、「あじろや」の「その場で調整」の「おむすび」の弁当には掛け紙さえ付かないため、ここでは「駅弁」とは当面みなさない(方針を変える可能性もあり)こととする。

そういう風に判断に迷いまくったが、「おむすび」の弁当を積極的に売りまくると無視するわけにもいかないかな・・という考えが出てきたので、「駅弁」マークのある「おむすび海道」に代表してもらうこととした。見てもらうとわかるが、基本的なコンセプトは「幕の内」で、ご飯の部分を「おむすび」にしたという感じか。ご飯の部分を「俵むすび」としているケースは少なくないが、このようにのりまで巻いて本格的なシロモノは珍しい。

のりを巻いているおむすびはシャケと昆布。これにこだわらなければもっと安い「おむすび弁当」もあるが、これでも駅弁としてはまずまずお値打ち。味もクセがなく食べやすく、「あなごやかきと言った名物ではなく、普通のもので落ち着きたい」気分の時には迷わずこれをオススメする。

 

 


山陽本線:広島駅 「広島発 山のおべんとう」(広島駅弁当) ¥700

 

 

 

  

 

駅弁としては少し変わったコンセプトで開発されたシロモノ。登山やピクニックに持参するのに便利な駅弁を・・ということからか、広島県山岳連盟がアイデアを広島駅弁当に持ち込んで共同開発。売り上げの一部は山の環境保全に役立てられるとのこと。

そのせいか、リュックに入れやすいように出来るだけ箱をコンパクトにし、炊き込み御飯のおにぎりや煮物を中心として、カマボコのような痛みやすい生ものをできるだけ避け、またヘビーな食材も避けているようだ。

その割に8時に購入した商品の賞味期限は正午と、本来の目的に使いやすいのかやや疑問に感じるのが残念なところ。登山の時は普段の環境よりも弁当などの食材が痛みやすいだけに、難しいところ。しかし行楽などの際には適量のせいか、日曜日の朝の広島駅では飛ぶように売れていた。

 

 

 

 

 

 

 


山陽本線:広島駅 「広島名物 もぐり寿司」(広島駅弁当) ¥840

画像提供:Deguchiさん

 

 

     

 

基本的には「ちらし寿司」。酢飯にアナゴや豆が混ぜられているというシロモノ。ニンジンがもみじを象るのは、広島駅の駅弁らしい部分であると言えよう。極端な飾り付けを行なわない割には外箱のデザインは秀逸モノで、¥840と安価なので、寿司を好む人には手の出しがいのある一品と言えよう。

 

 

 

 

 


山陽本線:広島駅 「御弁当」(広島駅弁当) ¥1,000

 

 

 

   

 

広島駅の復刻駅弁。中身は普通の「幕の内」だが、ご飯の色とかどことなく、レトロなフンイキを味わうことができる。「幕の内」の基本を守りつつ、牛肉やタコを入れているのも大きなポイント。

「一枚のキップから」というキャッチフレーズがいかにも時代的で、「新幹線の時代」と、広島の名所をうまく掛け紙に描いているのもよいのだが、掛け紙自体がパッとしない。社内に原版がないのか、どうも掛け紙をパソコンでスキャンして、リメイクしたのではないかと思われ、デザインにかなりノイズがかかっている。また福山駅の「御弁当」もそうだが、「駅弁」マークは必要あるまい。

 

 


番外 山陽本線:広島駅 「駅弁うどん」(広島駅弁当) ¥510

 

 

   

 

姫路駅に続いて「駅そば」のご紹介。堂々と「駅弁うどん」という名称で販売していたので、特別に取り上げることとした。かけうどんの中に、カキアゲ、きつね、牛肉、卵、そしてネギとカマボコという内容。確かに絶妙にスープと絡み合って、¥510の価値はあるのだが、PRしているような「腰がある」・・・、そんなことはない。広島駅でうどんをあまり食べない理由は「メンがボソボソ」、これに尽きる。「讃岐うどん」の弾力に慣れた私を唸らせるには、相当の努力が必要でしょうな。

「駅弁の具」を使っている、ましてや「駅弁のノウハウ」からこんなシロモノ、商品名になったとも思えず、会社のブランド「ひろしま駅弁」から取った名称なのだろうか。と言うのも、食券には「スペシャルうどん」と明記されているし、チグハグな印象の残るうどんだった。まあ、そうは言っても、このような名称のうどんには初めてお目にかかったということもあり、それに敬意を表して取り上げておく。

 

 

 


山陽本線:宮島口駅 「あなごめし」(うえの) ¥1,470  

 

 

   

 

日本三景・世界遺産の宮島へはこの駅で下車して連絡船で渡る。連絡船は路面電車の系列会社の会社と激しい競争をしているが、相手がスピードをアピールすれば、JRは日中の便で厳島神社の大鳥居沖を迂回させるなど、サービスの違いをアピールする。世界的に名高い観光地ということもあって、東京直通の特急寝台<あさかぜ>が上下とも停車していたが、廃止後は優等列車がなくなった。

そんな宮島の玄関口の駅にある駅弁が「あなごめし」。以前からどことなくほそぼそと販売してきた雰囲気があったのだが、21世紀になった頃から急速にブレイクが進み、ここ最近テレビ局の駅弁ランキングなどでも2度1位になるなど、一気にスターにのし上がった。残念ながら通信販売などはないが、時々駅弁大会などでも顔を覗かせれば、ハイエナのごとくあっという間に完売してしまうことは言うまでもない。

上の広島の「活あなごめし」と比べるとよくわかると思うが、まずあなごの色からして全然違い、立て続けに食べたりすると、決してまずくはない「活あなごめし」が完全にかすむほどである。深さは広島よりやや浅めなのでご飯の量はやや多い程度だが、箱そのものは一回り大きくて、穴子の量も一回り多く、歯ごたえもバツグン、¥1,470と駅弁としてはかなり高価な部類に入るこの駅弁も、出し惜しみが全くなくなる絶品と言えよう。

掛け紙は時々変えており、今回のは大正11年10月に使用していたものを復刻したとの事。「客車内持込・・」という表記もさることながら、「門司鉄道局」という文字で締められているのが時代を感じさせる。さらには、留めゴムが紫色というのも大きなポイントであろう。なお、伝統の様式の紙のため「駅弁」マークはないが、もちろん日本鉄道構内営業中央会会員である。

 

「あなごめし」の販売が始まったのは「山陽鉄道」宮嶋駅時代の明治34年(駅の開業は明治30年)。「山陽鉄道」は国鉄に先駆けて急行や食堂車、寝台車、赤帽、列車ボーイなどを乗務させてサービスの最先端を行った歴史がある。「青函」「宇高」「仁堀」「関釜」「稚泊」などの国鉄連絡船が大陸と大陸を結ぶためのものだったのに対して、宮島連絡船も言って見るなら山陽鉄道が乗客獲得のために始めたサービスを国鉄〜JRが引き継いだため、異色の連絡船が今に続いているのである。

「うえの」はその明治34年から実に100年以上、「あなごめし」のみを駅弁として販売してきた業者で、1つしかメニューがない駅弁屋も全国的に珍しいが、それだけあなごと味に自信を持っている証拠と言える。宮島口駅から連絡船乗り場までは歩くと6分ほどかかるが、その中間付近に「うえの」の店舗がある。「駅弁」にこだわるレールファンの方はともかく、時間があって「うえの」のあなごめしを現地で堪能した人は、同価格なので食堂でアツアツの「あなごめし」を賞味されることをオススメしたい。

なお、「うえの」の食堂は原則として水曜日が定休日となるが、「駅弁を休むわけにも行かない」ということで、水曜日に食堂へ来た人も食堂で駅弁を食べることができるのでご安心を。

 

 


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