北海道の駅弁(札幌駅は除く。札幌駅はこちら

 

 

 

函館本線:森駅 「いかめし」(いかめし阿部商店) ¥450

 

 

   

 

言わずと知れた「駅弁」の代表格。渡島管内北海道茅部郡森町のホームページでも町の特産品として、「駅弁日本一」として紹介されているのは言うまでもない。「いかめし」の由来は、戦地へ向かう兵隊さん向けに、森で採れるいかにもち米を詰めて提供したということらしく、「いかごはん」の声が強い中、森町の田舎のイメージを押し出すべく、「いかめし」と名づけたようだ。

森の名前を知っているひとの多くはこの「いかめしの森町」というイメージが結びついていると思うが、特急がかなり停車するにも関わらず停車時間が短いため、森駅で売れる「いかめし」の量は限られているのが現実のようだ。車内販売でも販売はないため、現地で購入できるチャンスは限られていることから、古くから全国の百貨店などの催事イベントに打って出ている。

そのための出張員らしき人のスタイルもすっかりさまになっているが、一時期本場の森駅でほとんど見かけなくなってもいたようだが、現在では森駅のキヨスクにあるらしく、夏場は立ち売りなどでの販売もされるようだ。

中身は小ぶりのイカが2匹、中にはもち米がたっぷり詰まっている。駅弁として¥450は現在ではトップクラスの安さだが、「1食」としては物足りず、現物を見たことがない人は「こんなに小さいの?」と首をかしげている光景も目立つ。しかしもち米の弾力とイカの弾力が補って、決して3箱以上は食べたりするのはやめておこう。

なお、最近知ったことだが、現地では「掛け紙」タイプの包装となっており、写真のシロモノとは異なる。これは「東京以西の駅弁大会の時は、輸送荷物がかさばるため」とのこと。厚岸の「かきめし」のように、現地と味が大幅に・・などと言うことはないので、安心して手を出そう。

 

 

 


函館本線:長万部駅 「特製もりそば」(合田) ¥600

 

   

 

函館本線は、ここ長万部から倶知安・小樽経由の「山線」に入るが、札幌方面の特急は室蘭本線に入り、「海線」がメインルートとなる。そんな「鉄道の要衝」の地にある駅弁。長万部の駅弁は「かにめし」共々有名(但し、「かにめし」は業者が異なる)だが、「これが駅弁かよ!」と思わす奇抜な趣向を取り入れている。

内容はご覧の通りそばとうずらたまご、フルーツ1つに、たっぷりのタレだけ。メンのコシなどに難があってむちゃくちゃうまいとまでは言えないまでも、そのそばの風味と、中身の見栄えのよさが、うまさを感じさせてくれる。

12年前に購入した時はホームに立ち売りが出ていて購入できたが、メンがくっ付いて食べにくく、そんな時はツユをかければよい。今では立ち売りから購入するのは難しい代わりに、特急<北斗>の車内販売にて予約積み込みで購入(積める列車・時間には制限があり、定休日も月2回ある)できる。

予約制にするメリットとして、商品のロスがないこともさることながら、「ゆでたて」のそばを食べることができるので、メンがくっつく・・ということがないのがありがたいと言えよう。特に札幌行の特急で積み込んでもらい、噴火湾を車窓から眺めながら食べる「もりそば」は最高と言えよう。

なお、「合田」は、長万部駅での販売のほか、ドライブインの経営もあり、こちらでの売り上げも大きいようだ。

 

 

 


函館本線:小樽駅 「特製おたるかにめし」(小樽駅構内立売商会) ¥850

 

 

   

 

後志管内小樽市は、運河などが有名な北海道でも有数の観光都市。札幌からも比較的近いことから、その人気を不動のものとしており、最近では故・石原裕次郎の出身地としても有名になり、小樽駅の4番ホームにはモニュメントを設置して「裕次郎ホーム」の愛称を付けている。

小樽から札幌までは電化されているが、小樽以西は単線非電化で勾配がきつく、冬場の雪などの難があり、函館への足としての機能は持っておらず、特急<北海>もすでにない。つまり小樽駅には優等列車が入ってこない。

そんな中でお世辞にも駅弁の販売環境には恵まれていない小樽駅では、4種類の駅弁が販売されており、手軽なのがこの「特製おたるかにめし」。札幌のかにめしなどとはかにの調理方法が異なっているのがよくわかるが、値段も手ごろで味もまずまず。私は手ごろというよりもかに以外の駅弁は苦手な食材で手が出なかったというのがホンネだが、他の3種類も評判がよいので、ぜひお試しを。

ちなみに、小樽の駅員さんに「駅弁屋いますか?」と聞くと開口一番「ないです」と。この回答に焦ったが、「そこの改札の外のキヨスクに」とのことで、会社名に反して、キヨスクへの委託販売が精一杯なのが現実のようだ。そんなところにも小樽駅における駅弁の販売環境の厳しさを実感した。

 

 

 

 


函館本線:小樽駅 「おたる北海手綱」(小樽駅構内立売商会) ¥1,050

 

 

     

 

基本的には「かにめし」がベースだが、ご飯が酢飯となり、イクラとシャケ、「手綱」をイメージしたタケノコ、しいたけが載る。卵は「カニの卵」かと思ったが、どうも「ししゃもの卵」らしい。具がゴージャスになる分、価格も¥1,000を突破するが、ご飯は少なめ。     

 

 

 

 


函館本線:小樽駅 「おたる海の輝き」(小樽駅構内立売商会) ¥1,260

 

 

     

 

小樽駅で販売されている駅弁の中で、1番値が張るのが、この「おたる海の輝き」。小樽は夜景の美しさで知られるだけに、掛け紙もその光景が描かれている。中身はカニではなく、ウニとイクラをドッサリ載せ、この味がわかる人にとっては絶品で、「上の北海手綱が霞むほど」と評する人も多いようだ。そういうわけで大会の実演でも一番人気が高いものの、小樽駅では1日に5個しか調整しないと言う、マボロシに近い駅弁。但し、筆者が小樽駅に行った時は、ちゃんと並べてあった。

この2商品は地元の駅弁大会で購入。実際にそれらの商品を現地で確認していれば、下のどこかの業者のようなこともなく、スムーズに手を出すことが出来る。販売環境が厳しいながらも、「基本路線」を守った上で遠く岡山へも催事に打って出る姿勢に、苦手な食材をモロともせず、つい手が出た、と言うのがホンネ。

 

 

 

 


函館本線:旭川駅 「ダブル親子飯」(旭川駅立売)  ¥1,300

 

 

     

 

 

シャケとイクラ、そしてニシンとカズノコが入るという、大変贅沢な駅弁。その分値も張るがボリュームもタップリで、充分手の出しがいのある一品と言えよう。

 

 

 

 


根室本線・富良野線:富良野駅 函館本線:旭川駅 「ふらのとんとろ丼」(旭川駅立売) ¥980

 

 

 

 

 

富良野駅ではJR化後ほどなく優等列車が姿を消し、駅弁が売れる要素も少なくなっているようで、この駅弁は2002年に実に25年ぶりに販売されたシロモノらしい。それがこの「ふらのとんとろ丼」である。但し、業者は旭川駅の業者で、富良野駅での販売は現在は休止されているらしく、旭川でも大量注文の予約に限られるようだ。

ご飯の上に豚肉「とんとろ」がのっており、付けあわせがじゃがいもというところが、北海道の駅弁らしい。旭川駅立売は全国の催事にも結構顔を出していることが多く、「とんとろ丼」は結構な人気のようだ。食卓で食べる時はレンジで温めることをオススメするが、卵は温泉たまごなので、温める時に取り出すのと、温めた後にかけるのを忘れずに。

 

 

 


根室本線:釧路駅 「蟹ちらし」(釧祥館) ¥1,100

 

 

 

 

 

札幌までの所要時間を劇的に短縮させた、特急<スーパーおおぞら>が気を吐く、道東の拠点が釧路である。釧路駅でもカニを始めとした魚介類の駅弁がたくさん販売されている。この商品もその1つだが、現地ではどのような販売がなされているかはやや不透明な部分があるため、「この商品もその1つ」とは断言しない。

と言うのが、釧路を始め洞爺などもそうだが、上の「旭川駅立売」が「総元締め」の役割を担っており、「旭川駅立売」は全国規模で催事にも積極的に打って出る。それはよいことと言いたいのだが、かつてそんなものを販売もしたことがないにも関わらず「静内駅弁」としてイカを使用した駅弁を突然催事で出したりしたため、信用度が最近低下しているのである。静内駅でかつて駅弁を手がけていた業者は現在はそばのみ行なっているようだが、ここも一応「旭川駅立売」が元締めとはなっているらしいが、静内の駅弁屋の電話番号を記してそれが「誰も出ない」ことがわかっているような番号を記載してよいことにはなるまい。

 

駅弁自体はうまいが、私が信用度を疑う理由がもう1つあり、駅弁の賞味期限はだいたい1日程度である。しかし北海道から宅配便などでの輸送にはどうしても2日はかかるらしく、これが駅弁大会で北海道の駅弁が実演形式が多い理由の1つである。また逆に本州の駅弁屋も「輸送弁当」形態の出品を諦めている現実がある。

しかしこの駅弁は旭川の「ダブル親子飯」とともに岡山駅で「輸送弁当」の形態で販売されたのを見てみると、「道外のどこかで調整したのではないか?」と思わせる。実演を行なうと使用するご飯が異なるため、味が変わることがあるが、目の前で作るからそんなに不安はない。

しかしこのような現実を知ってしまうと、ちょっと信用できないな・・という気持ちがあるのが現実であり、その説明とかをキッチリ行なっていただければと思う。「駅弁大会に出て、評判を落とすくらいなら、出ないほうがよい」と考えている駅弁屋も多いようだ。

旭川の場合、駅弁自体の評判は高く、釧路駅の駅弁屋も別売りながらかつてはカップ式の味噌汁にお湯という、あまり駅弁屋では見ることが出来ないような商品も販売するほどハートがあったかいのだから、今一度原点に戻ってほしい感じがする。

 


根室本線:厚岸駅 「かきめし」(氏家待合所) ¥900

 

 

     

 

(参考:「かに弁当」)

     

 

根室本線は滝川〜根室間443.8キロを結び、「滝川発釧路行」と言った、日本でも屈指の長距離鈍行が存在するなど、旅情にあふれた路線である。しかしながら、高速の特急が走る区間もあれば、ワンマン気動車がローカル輸送に徹する区間もあるなど、区間によって見せる表情はバラバラである。

厚岸駅が立地する根室本線の釧路〜根室間は一際そのイメージが強く、時刻表上では黒色表記の「幹線」であっても、実態はローカル線と何ら変わりない。JR北海道ではこの区間の運営を「花咲線運輸営業所」の管轄とし、路線愛称も「花咲線」として案内している。

そのように列車の運営そのものでさえ厳しさが募るように見える中、駅弁が健在なのは嬉しいが、逆に言えばそれだけ駅弁の人気が高いことの現われとも言えよう。北海道では森の「いかめし」には勝らないまでも、人気の高い駅弁の1つが、この「かきめし」。炊き込み御飯の上にカキを載せたシロモノで、うまそうに見える。

 

ところがこの駅弁、駅弁大会などの催事と現地売りでは全く評判が異なり、後者は「磯の香りや独特の臭みが素朴な味を醸し出す」と評判がよいのに対して、後者のほうはあまり評判がよくなく、実際に食べた友人の感想もイマイチ。また、最近では旭川と同じく「ニセモノ」業者による出品・・という話を耳にしたため、掲載を取りやめることも考えた。

しかしながら2005年の京王の大会ではチラシに堂々と「お客様のご要望にお応えして、氏家待合所の『かきめし』が9年ぶりに復活!」と銘打ち、実演には何と社長自らが乗り込む・・という話を聞いたので、改めて掲載した。旭川と違い、「失いかけた信頼を取り戻す」にはどうすべきか・・を、ちゃんと抑えるあたりが、「人気有名駅弁」を維持する秘訣なのかも知れない。なお、「かに弁当」の方は、「催事専用」と思ってもらってよく、「駅構内で販売して・・」という原則から外れるので、参考扱い。飯は酢飯だが、あまりカニとの相性はよくない。

京王のシロモノもあまり評判はよくなかったようだが、現地での評判だけはよいようなので、「花咲線」に乗ったら、真っ先に手を出そう。

 

 

 


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