関東地方の駅弁
東北本線:宇都宮駅 「とりめし」(松廼家) ¥700
東北本線:宇都宮駅 「チキン茶めし」(富貴堂弁当部) ¥700

「駅弁発祥の地」とされる宇都宮駅には2社の弁当が販売されており、しかもどちらの業者もホームで立ち売りしていることから、その人気も高いものがある。但し、最近の調査などでは、神戸や大阪駅などでその前からおにぎりのようなものが販売されていたという記録が発見されたようで、どうも「宇都宮駅が最初」という説は最近では否定されているようだ。しかしながら、この駅での駅弁販売の歴史が古く長いことだけは間違いないようで、最初に手がけた業者は1991年に撤退した模様だが、この2社も明治時代から続く伝統のある業者のようだ。
松廼屋の「とりめし」は、上野からやってくる1番列車の停車時間中(7分あれば・・)に立ち売りから購入したものだが、まだ7時になろうかという時間にカゴで立ち売りしている光景に驚いたものである。聞くと「6時からやってますんでね」と胸を張る回答で、その意欲もすごいが、考えてみれば東京方面へ通勤する人向けにとなると、この時間からの対応が必要なのだろう。なお、「富貴堂」の「チキン茶めし」の方には「駅弁」マークが確認できなかったが、こちらも中央会会員である。
高崎線・上越線:高崎駅 とりめし御弁当 ¥800(高崎弁当)

ややタテ長のハコに、ボリュームタップリのチキン、それをしっかりノリとそぼろごはんが支えている。宇都宮とはかなり気色の異なった弁当だが、「だるま弁当」や「上州の朝がゆ」など、ユニークな弁当が知られている高崎の駅弁では、意外と隠れた存在ながらも、味はピカイチという気がする。
HPによると昭和9年から販売されているようだが、九州出身の先代が、故郷の味を・・と考えて考案したシロモノのようだ。ちなみに、これは催事の実演で購入したが、名物の「だるま」の方は、有名な貯金箱容器があまりにもちゃちに見えてしまい、断然こっちに目が向いた。
東海道本線:東京駅(代表) 「チキン弁当」(日本レストランエンタプライズ) ¥870


東京駅の駅弁・・であるが、かつて「帝国ホテル」が出していた「ローストビーフ・ご飯」などもすでになく、どうやら「息の長い商品」となると、この「チキン弁当」が代表格となるようだ。2004年冬期の鳥インフルエンザ騒動で販売が休止されたようだが、夏には復活を遂げている。
トレーが2つに分かれており、内容は左がチキンライス、右側は鶏の唐揚げ。子供向けの軽快なデザインで、から揚げはまずまずだが、チキンライスに関しては口に合わない人も多そう。
「日本レストランエンタプライズ」と言うのは、国鉄時代「日本食堂」と称していた会社で、JR化後は「Jダイナー」、そして現在は「NRE」というブランドで販売し、会社名も変わった。昔ながらの駅弁もあれば、下のように物議をかもした商品もある。そして最近では合併した老舗の料亭、「日本ばし大増」(NRE大増)のノウハウを利用した¥3,000をはるかに超える駅弁も販売されている。基本的な販売駅は東京・上野・新宿・大宮駅であるが、駅によって若干差異があり、その駅オリジナルの商品もある。
東海道本線:東京駅(代表) 「牛すき焼き風弁当」(日本レストランエンタプライズ) ¥680

「駅弁」として紹介するのがふさわしいか難しいのがこの「O−bento(オーベントー)」。「オーベントー」の生産に必要な有機栽培の米が300トンなのに対して、日本国内では17トンしか調達できないため、製品ごとアメリカで生産して冷凍輸入する方式とした。そのため、保存料などは使用していないのだが、JAなどからの反発も高かったらしい。
米はアメリカ産ながら、有機栽培の「あきたこまち」で、アメリカで製品まで生産するのは、アメリカで作った米を日本で持ち込んで生産すると、高い関税がかかるため。製品を作って「加工輸入品」として輸入すれば関税が安い。そのため、これだけの具材を使用しながら、¥680という安価で販売している。冷凍状態で輸入され、店頭でレンジでチンして客の手元に渡る。
味も決して悪くないが、意外にも「オーベントー」の中では売れ行きが一番悪いらしい。個人的な感想としては、買う方にとって安いのはありがたいし、東京駅のように毎日大量の駅弁を生産して販売せねばならない環境ならば、こういう手法の駅弁もやむを得ないのかな?という気持ちはある。
ただ、駅弁を愛する身として、個人商店のような小さな企業が、ローカル線の恵まれない環境の中、必死になって駅弁を調整している苦労を考えると、「こんなのあり?」という気持ちは否めない。わざわざアメリカに工場を建設してまで、「そんな金、ウチにはありましぇ〜ん」という感じであろう。
冷凍食品だからと言って、悪いことはないが、ニンジンやグリーンピースは、やはりそう見えてしまうよね・・・。なお誤解のないようお断りしておくが、<あさぎり>の車内では販売されていないので念のため。
内房線:木更津駅 「こだわり横丁 バーべQ弁当」(万葉軒) ¥1,000

木更津駅の代表駅弁だが、オールドファンだったら「あれっ?」と思うだろう。外装のハコには「浜屋」の文字が刻まれているものの、「浜屋」は現在は駅弁の製造からは撤退し、この商品の製造は現在、千葉駅弁を手がける「万葉軒」が引き継いでいる。そのため、千葉駅でも購入できるようになったようだ。もっとも、中身はそれが惜しまれるほど豪華で、ボリュームタップリの内容。
網で1枚1枚ていねいに焼いたとされる豚のロース焼きを、半分に切って3枚、都合6枚、タレをかけてご飯の上に乗せるという内容。それにおかずが付く。ボリュームがあるせいか¥1,000と、房総地区の駅弁にしては価格が暴走気味だが、肉の枚数を減らしておかずも変えたバージョンもちゃんとある。ていねいに仕上げてあるだけに肉の風味、弾力もちょうどよく、何よりボリューム感があるので、迷わず手を出してみたい1品。
ちなみに、黒木だ、小坂だ、ローズだ、バレンタインだ、イースンヨフ・・と、うまくヒットしない「マリーンズ弁当」を手がけるのもこの会社で、駅弁の有無は知らないが、千葉マリンスタジアムにも売店を持っている。
東海道本線:横浜駅 「横浜名物 シュウマイ」(崎陽軒) ¥510


元々「駅弁」として中央会のマークを付けれるシロモノは、ごはんものを使用したシロモノに限ると言う基準から、「駅弁マーク」はないが、文句なく駅弁と言える1品。外装表記を見ると「横浜駅弁」として使った「シュウマイ」が、「横浜名物」になった、と言えそう。一番ポピュラーと思われる商品は、15個入りのこれ。脂っこい「シュウマイ」だけに、「おてふき」は不可欠で、マスタードに加えて、「ひょっとこ」入りのしょうゆがチャームポイント。
鳥栖とはまた違った風味で、やはり「シュウマイなら横浜と鳥栖」の代名詞にふさわしい風味。但し、大きさはと言うと、圧倒的に鳥栖の方がデカイ。