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北九州地方(福岡・佐賀・長崎・大分)の駅弁

熊本・宮崎・鹿児島の駅弁は「南九州地方の駅弁」に移転しました。

 

 

鹿児島本線:小倉駅 「特製かしわめし」(北九州駅弁当) ¥890

 

   

 

九州島内、特に北九州地区では「かしわめし」を販売している駅弁業者が多い。また、「かけうどん」でも具にかしわ肉がひと振りかけられて「かしわうどん」として販売されているケースも見受けられる。モノレールを駅ビルに取り込んで、「九州の玄関口」の異名を取り戻した小倉駅で販売されているのが、この「特製かしわめし」である。

下の折尾それと比べると知名度などは劣るが、かしわも大きめに切られており、味は決して引けを取らない。付け合せのグリーンピースは折尾でも採用されているが、かまぼこに加えて卵焼きも添えられて、弁当の基本を守っている部分が特徴と言えよう。また、小倉駅・門司駅の同社のうどんもまずまずの味で、合わせて申し合わせておく。

現地では折尾までガマンすることが多く、先日の地元の百貨店の実演で購入したが、販売員のおばちゃんの掛け声は手を出すのに十分だった。それだけに、折尾に負けじとホームで立ち売りすれば、乗降客も多いのだし、駅の名物となるのでは。なお、新幹線の改札内では見かけなかったが、折尾の「かしわめし」があったりする代わり、この商品は一部の山陽新幹線の車内販売に搭載されていることがある。

 

 


鹿児島本線:小倉駅 「豚トロ弁当」(北九州駅弁当) ¥1,000

 

 

     

 

炊き込み御飯の上に載っているのは、文字通りとろけるような豚肉と、ゴボウだけと言う、「シンプル・イズ・ベスト」ながら、風味と味のよい駅弁。大きく記されているとおり加熱式で、小倉よりも意外と海風などがキツい、冬の門司などでは売り上げが良いかも知れない。

天満屋の駅弁大会で購入したが、他所でも大々的に大会が行なわれるシーズンのせいか、九州の駅弁で出品があったのはここ2年小倉のみと寂しい状態。九州は全般的に駅弁の強い地域なだけに、他の業者さんの奮起を期待したいところ。

 

 

 

 

 


鹿児島本線:折尾駅(代表) 「かしわめし」(東筑軒) ¥735

 

 

   

 

九州の「かしわめし」、いや駅弁の中でも1・2を争う有名かつうまい駅弁。1・2と言うのはここ折尾と鳥栖のシロモノで、これは甲乙つけがたいものがある。その中で折尾の「かしわめし」がこれ。のり・たまご・かしわの3色が非常にきれいで、見たっからにうまく感じさせる。付け合せもグリーンピースとひじき、そして漬物だけとシンプルな構成と言うこともあって、価格も¥710と駅弁の中では安い部類に入る。

しかもこれでは大きい・・と感じる人にはご飯の量を少なくした¥630、ご飯の量は¥735より少ないもののおかずの種類が増える¥945の「かしわめし おりお」も販売されている。

折尾駅で駅弁の販売が始まったのは大正10年と、鳥栖ほどは古くないがそれでもその歴史は長く、長年のノウハウで蓄積された味付けは社内の人でもほんの一握りの人しか知らないらしい。

もちろん「かしわめし」自体がうまいので有名なのだが、折尾駅の鹿児島本線上りホームで駅弁を立ち売りで販売していることも、折尾の駅弁を有名にしている理由の一つである。残念ながら週に1回はお休みで、昼休みも取られるとのことだが、詳しいことはホームページへ。なお、下りホームは(うどん)売店で販売されているので立ち売りはない。

折尾駅の駅弁は折尾の他にも北九州の副都心黒崎はもちろん、戸畑、八幡、赤間、東郷、福間に加え直方、そして若松駅でも販売されるなど、優等列車に無縁の小駅でも幅広く販売されているのが特徴である。うどんの味は小倉に劣るような気がするが、ぜひ途中下車してでも求めたい一品である。また、「駅弁」ではないが、東筑軒の「かしわめし」の評判が高い証拠の象徴として、福岡ドームの中でも「デラックスかしわめし」と称するシロモノも販売されており、ホークスファンの人気No.1ともなっているほどである。

なお、東筑軒は最近「日本鉄道構内営業中央会」を脱退しており、現在のパッケージは写真とは若干異なる。

 

 

 


鹿児島本線:折尾駅(代表) 「かしわめし」(東筑軒) ¥630

 

 

     

 

大飯を食う私なら当然上の「かしわめし」を買うのだが、基本はやはりこの¥630の「かしわめし」。内容はほぼ同じだが、こちらにはグリーンピースがない。1日に何個も駅弁を賞味してみたい場合にはこちらを、「一食」として食べるなら、上の「かしわめし」でないと腹持ちしないので上をオススメする。

 

 

 


鹿児島本線:折尾・黒崎・八幡駅 「長崎街道 大名道中駕籠」(東筑軒) ¥945

 

 

     

 

「かしわめし」におかずの付いた「かしわめし おりお」に対して、のっけから容器にこだわりを見せたシロモノ。下はもちろん「かしわめし」、上部はさまざまなおかずが詰められている。ちなみに、命名はこの折尾が、小倉と長崎の間、57里(およそ228キロ)を結ぶ「長崎街道」に位置することからで、宿場は25箇所。言うまでもなく江戸時代、「唯一の海外への窓口」だった長崎への街道が重要な街道であったことは言うまでもない。

この駅弁は「駅弁」として開発されたシロモノではないらしく、元々は仕出し向けの弁当だったらしい。そのため東筑軒では、自宅での来客用にも進めている部分があり、それが口コミで広まって「駅弁」としても販売されるようになったのだろう。調整に少し手間がかかる割に、東筑軒の商品としては値が張るだけに、さすがに「かしわめし」ほどの売れ行きではないらしい。そのため、折尾駅の売店でも、5個づつ発注し、売り切れの度にこまめに補充する方式を取っているらしい。他に黒崎・八幡でも販売しているが、それらの駅での購入なら予約が無難に思う。

 

 

 

 


鹿児島本線:博多駅 「つばめ弁当」(博多鉄道構内営業) ¥1,000

 

 

 

     

 

「つばめ弁当」は博多駅以外でも販売されているようで、基本的には車内の「ワゴンサービス」で販売されるシロモノのようだが、博多駅のホーム売店で堂々と販売していたため、博多駅のシロモノを「駅弁」として紹介する。

それほど大きいサイズではないが、内容はごはんものは「ちりめんごはん」。他に高菜漬け・ほうれん草・こんにゃくステーキなどあっさり系統の食材を詰め、「終点:鹿児島中央」を意識して「薩摩揚げ」も入っている。またデザートも牛乳豆腐やおはぎ、大根もちなどもあり、年配向けの人にとってはオススメの駅弁。

私自身が何度も手を出したいと思う駅弁ではないが、¥1,000という値段で充分お釣りが来ると思う内容だし、「日本の鉄道の顔」の1つでもある<つばめ>に恥じない内容なので、一度手にとって見て欲しい。なお、季節により、若干内容が変化することもある、とのこと。

現在、博多駅を発車する特急列車は<リレーつばめ>として、「鹿児島中央行」の表示を出しているが、実際には新八代駅の同じホームで3分で乗り換える。掛け紙も在来線をイメージさせるが、箸袋だけは新幹線を先取りしていた。

 

 


おまけ 特急<リレーつばめ>の「サンドイッチ」 ¥350

 

「車内販売専用」なので、あくまでも「オマケ」としての掲載。朝方の列車ではどうしても搭載できる駅弁が限られること、また客も軽食を好むため、結構売れ行きが良いようだ。このようなシロモノはかつて、近鉄特急「アーバンライナー」の、早朝の列車の車内販売に搭載されていたことを思い出す。

調整はJR九州が多角経営事業として行なっているパン屋、「トランドール」が行なっている模様。

 

 

 

 

 

 


鹿児島本線:博多駅 「かしわ飯」(博多鉄道構内営業) ¥750

 

 

     

 

博多駅の「かしわ飯」。折尾のそれと違い、さすがに焼き魚はないものの、卵焼き・かまぼこ・だし巻き・黒豆などで変化をつけているのが特徴。博多駅の駅弁の中では安い部類に入るものの、さすがに「かしわめし」本体の方は、折尾や鳥栖と比べるとやや劣る感じがするのは否めないところ。ちなみにこの掛け紙は「復刻版」とのことだが、レギュラータイプでも赤と緑の2種類があるとのこと。

 

 

 

 


鹿児島本線:鳥栖駅 「かしわめし」(中央軒) ¥680

 

   

 

小倉・折尾と「かしわめし」を紹介した以上、この鳥栖のシロモノを紹介しないわけはいかない。折尾よりも先の大正2年より販売されていて、文字通り「かしわめし」の元祖。

具は折尾のものに似ていても、色合いはかない異なり、違った味を楽しめる。「かしわめし」だけでも十分お値打ちなのに、名物の「しゅうまい」まで入れるなど、これ1品で十分鳥栖の味を満喫できる弁当。

 

 

 


鹿児島本線:鳥栖駅 「しゃおまい(しゅうまい)」(中央軒)

 

 

   

 

シュウマイを駅弁として販売している一番有名なのは横浜であるが、ここ鳥栖も決して負けていない。鳥栖のシュウマイは真空パック様式でここのところ販売されていたが、最近復刻販売されたのがこのシロモノ。15個ものシュウマイの味は同じように見えて異なり、ホタテ風味も楽しめる。一応しょうゆと辛子も付いているが、「何も付けずに召し上がることをオススメします」とのこと。自宅などで食べる場合はレンジで温めるほうがよいようだ。

なお、「かしわめし」と「しゅうまい(6個入り)」を合体させたような「しゃおまい弁当」(少し下を参照)もあり、こちらは予約対応ながら<つばめ>の車内販売でも扱っている模様。

また、鳥栖駅ホームでは同じ中央軒がうどんの販売も行なっているが、これもまたいける。長崎街道に位置して熊本・鹿児島方面と、長崎方面の線路を分ける鉄道の要衝は、かつては「鳥栖と門司の街は、制服で歩いてもおかしくなかったとです」というほどだったらしい。そういった伝統が染み込んだどこか懐かしさを感じる駅で、裏手にそびえる「鳥栖スタジアム」を見ながら、うどんをすするのもオツなものだ。

後、この鳥栖で特筆しておきたいことは、鹿児島本線はけやき台〜肥前旭間は佐賀県を走行し、久留米で再び福岡県に戻る形となる。このため、鳥栖駅の売店にはちゃんと「佐賀新聞」も置いてあり、長崎方面へ用がなくても手に入れるチャンスがあるのには助けられる。

 

 


鹿児島本線:鳥栖駅 「焼麦」(中央軒) ¥400

 

 

    

 

18個入り ¥800

 

   

 

「駅弁」にしては随一の安さの¥400。中身はもちろん「しゃおまい」で、こちらは9個入り。18個入り¥800もある。そしてこの商品は賞味期限が15日前後と長く、土産として持ち帰るのに最適。

と言うのも、こちらのシロモノは「真空パック」入り商品のためで、ほとんどの人が家で食べるだろうからレンジで温めるわけであるが、箱には何と「そのままでもおいしく召し上がれます」としるしてあるところがすごい。レンジのほか、焼く・蒸す・揚げる方法もある。

駅弁をお土産として持って帰れる・・ということ自体が嬉しい商品なのだが、残念ながら上の「しゃおまい」を始め、やはりオリジナルの商品に比べると味は落ちると思うので、現地で食べるのなら、掲載している他の商品で「鳥栖名物」を味わおう。この商品はその味を「独り占め」したくなく、家族にも・・という思いやりのある人向け (笑)。シューマイだけだからそうかも知れないが、実に安く買いやすい。通信販売もあるようだ。

しかしながら、売店の人に、「本当にこのまま食べれるのですか?」と聞いてみると、「はい、もちろんこのまま食べられますよ」とキッパリで、実際に食べて見ると、冷えは気になるものの、ぶっちゃけ「このまま食べるのが一番おいしいのではないか?」と感じたほど。家庭で加工するにも、電子レンジで温める程度にしたほうがよいと思う。

 

 

 

 


鹿児島本線:鳥栖駅 「焼麦弁当」(中央軒) ¥700

 

 

     

 

鳥栖駅の駅弁の「2大名物」である、「かしわめし」と「しゃおまい」を合体させた駅弁。箱がそれほど大きくないので、量は決して多くないように見えるが、ボリュームはタップリ。15個も1人で「しゃおまい」を食べると飽きが来るような感じなので、「しゃおまい」6個はちょうどよい分量に感じる。唯一残念なのは、「かしわめし」の基本とも言える「のり」がなく、2色構成なのが惜しいところかな。それでも、悪いシロモノ・・、そんなことはない。両方買う余裕がないときは、何と言われてもこれに手を出そう。

 

 


鹿児島本線:鳥栖駅 「長崎街道 焼麦弁当」(中央軒) ¥850

 

 

 

 

上のシロモノに「3種の神器」などを追加して、幕の内風に仕立てたシロモノ。箱も一回り大きくなるが、量が多くなるわけではない。もちろん鳥栖駅にも「幕の内弁当」はあるが、やはり「鳥栖の味」を詰めたこのシロモノはオススメ。この商品は<リレーつばめ>などにも積み込まれているようだ。

 

 

 

 

 


鹿児島本線:大牟田駅 「たいらぎ寿し」(大牟田駅弁) ¥800

 

 

福岡と熊本の県境に位置する大牟田市の人口は、133,000人。1469年に石炭が見つかり、1889年に三井が経営に携わるようになって、発展が続いたようだが、1997年に全ての炭鉱が閉山。しかし言うならば福岡と熊本の中間のような位置にあるせいか、街ごと没落・・と言うようなことはないようだ。駅は往時の石炭列車の発着を偲ばせるような広さと線路があって大きくて広く、西鉄天神大牟田本線が駅ウラから発着する。西鉄の特急はここまで来るが、普通電車は2両ワンマンの区間運転が多い。

かつてはいろいろな駅弁があったのかも知れないが、どことなく「ここの駅弁の使命を終えつつあるような・・」というフンイキがないわけでもないのだが、それでもシッカリやっていけるのは、「たいらぎ寿し」という名物駅弁があるからだろう。「タイラギ」(糸鰓目)と言うのは、貝柱の一種らしく、本州以南の水深20M以内の海底に、土を土台にして貝の細い部分を直立させて育つらしい。瀬戸内海で12〜4月頃に獲れるらしいが、有明海も漁場の1つ。パッと見るとホタテによく似ているわけだが、ホタテよりも高級なシロモノとされる、とのこと。

9部屋に小分けされたうちの3部屋に、酢飯の上に椎茸、イクラ、レンコン、そして「タイラギ」を載せており、この3部屋は全く同じシロモノ。もちろん「タイラギ」は歯ごたえ、食感、風味もバッチリ。そしてどことなくこの駅弁には、掛け紙にも書かれているのだが、「駅弁屋のまごころ」が一杯詰まっているように感じることができた。なお、「タイラギ」は「瀬戸内海で獲れるものが多い」と書いたが、このシロモノを使用した駅弁は、ここ大牟田駅にしかない。

私自身は食材自体がちょっと苦手なので、何度も手は出ないが、一部の<リレーつばめ>にも搭載され、積み込みにも応じてくれると思うので、時間が合えばリクエストした駅弁。販売は1番ホームの大きな売店で。

 

ちなみに、現在の大牟田駅の駅弁には、この他に「幕の内」があるが、こちらもなぜか「9部屋小分け」としているようだ。

 

 

 


長崎本線:佐賀駅 「かにちらしすし」(佐賀駅構内営業) ¥630

 

 

     

 

「佐賀駅構内営業」と言うあまりにも堅苦しい名称のせいか、「あら玉」の屋号が一般的。その佐賀駅の代表駅弁がこの「かにちらしすし」。佐賀県には海はもちろんあるが、あまりカニとは縁がなさそうな土地柄だけに、使用しているカニは北海道産らしい。開けた瞬間、「これホントにうまいのか?」と思わせるのだが、「かに寿し」系統の駅弁によく見られるような酢の強さが全くなく、あまり得意でない食材の駅弁ながらおいしくいただけた。そして何よりも、カニを使用した駅弁で¥630とは、もうぶっちゃけで安い、と言うしかない。

佐賀駅は1976年と、かなり昔に高架化されて整備されたのに、その後は機能を活かし切れなかったようで、筑後川を「跳開橋」で渡って鹿児島本線の瀬高との間を結んだ佐賀線もとうになく、県庁所在地の駅の中では山口・松江・高知などと並んで、長崎本線の1線しか発着しない(まあ唐津線は佐賀発着の範疇とすれば、そうではないが・・)。

駅はほどほどに賑わうものの、福岡に近いためか「福岡に出て行くため」に駅に集まる人が多いように感じる。福岡には都心直行の¥1,000の西鉄バス<わかくす>も頻発し、福岡空港直行便もかなり昔からある。少し距離はあっても、フライトの多い福岡空港にかなうべくもない佐賀空港への県民の批判は、決して少なくないようだ。

佐賀県で駅弁を販売しているのは、鳥栖とここ佐賀のみだが、いずれも悪いシロモノを売っているわけではなく、実力派の駅弁が揃っていると、前向きに捉えておこう。

 

 

 


長崎本線:長崎駅 「卓袱弁当」(ジェイアール九州トラベルフーズ) ¥1,300

 

 

     

 

「卓袱(しっぽく)料理」=「長崎の名物」であることはご存知の方も多いだろうが、私は食べたことがないんですよ・・ (笑)。「卓袱」の「卓」とは中国語で「テーブル」、「袱」とは「周囲の布(つまり「テーブルクロス」)の意味。それが1600年に唐からの船によって珍しい料理方法が長崎の人たちによって、日本人向けに改良されたもの。

もう少しわかりやすく言うならば、「中華料理」と言うのは円卓を囲んで、同じ盛りの皿を分け合って食べるのである。例えば「皿うどん」を4人分注文したならば、「1つの皿に4人分の皿うどん」が盛り付けて運ばれてくるわけだ。その上で、この中国の食べ方を和食に取り入れるべく、長崎の人たちが考案したのが、この「卓袱料理」なのである。

 

その「卓袱料理」を文字通り「長崎駅の名物駅弁」として仕立てたのがこの「卓袱弁当」。さすがに駅弁は「1人前」なので、円卓などどこにもないが、大きな箱は恐らく出島をイメージしているものと思われる。料理そのもののメニューの定番に「豚の角煮」があり、最近では「角煮まんじゅう」が、「カステラ」が霞むような勢いで「長崎名物」の1つにのし上がりつつあるが、当然この中にも「豚の角煮」は入っている。

ちなみに、市中の料理屋で「卓袱料理」を味わおうとすると、(いずれも1人前で)1人分の器に盛ったもので¥2,900くらい、本格的なものを楽しむなら最低でも¥4,000、「キリ」となれば¥12,000くらい必要・・なことを思えば、駅弁が一番安く味わえるのかも知れない。なお、現在は商品がリニューアルされ、¥1,500になったとか。

 

 

 


長崎本線:長崎駅 「長崎名物 中華弁当」(ジェイアール九州トラベルフーズ) ¥870

 

 

     

 

江戸時代、長崎の「出島」に出入りしていた外国の船は、オランダと中国。そのため中国との結びつきが強く、江戸時代中期に中国からの貿易品の倉庫を建てるために、海を埋め立てて出来たのが、現在の「長崎新地中華街」がある街。元々五島町付近にあった倉庫が1698年の大火で焼失し、2度とこのようなことがないようにと、唐人屋敷の前面の海面、3,500坪を埋め立てて隔離された場所に「新しく築地によってできた場所」と言うことで、この名が付けられたわけである。

その中華街の味を丸ごと詰めたシロモノがこの「中華弁当」。エビに角煮、春巻きにシュウマイ・・と、文字通り中華風。ちゃんとマスタードとしょうゆが添えられているのも見逃せないポイント。おかずが多い割に貧弱なイメージが否めないわけではないが、この内容と適度な量で¥870とは、お値打ちもいいところ。私は「卓袱弁当」よりも断然お気に入り。

 

ちなみに中華街へは、長崎電気軌道の路面電車に乗り、都心の「築町」電停下車、徒歩1分。この築町で「乗り換え」ができ、長崎駅前から大浦天主堂・グラバー園へ向かうなら乗り継ぎ券を発行してくれるのだが、すでに20年近く運賃は¥100均一。1日券も¥500と格安で、「長崎市民の足」としてはもちろん、坂の多い長崎において、「観光客の足」または「観光資源そのもの」として、すっかり定着した。反面で「超低床電車」も1編成入れたものの、長崎駅前電停など、歩道橋を伝って向かわねばならないなど、効果が相殺されている気の毒な部分がうかがい知れるのは惜しいところ。JR長崎駅なんぞ、階段そのものがない駅なのに、勿体無い・・。

 

 

 


長崎本線:長崎駅 「かもめ弁当」(ジェイアール九州トラベルフーズ) ¥850

 

 

     

 

悪いシロモノではないのだが、一体「どこが『かもめ弁当』なんだよ・・」と言わせたくなるような体裁が勿体無い。内容は「幕の内」に近いわけで、それはそれでよいのだが、掛け紙は堂々と「特製折詰弁当」とあり、それなら堂々とそう名乗った方がよいのではないか、と思うのだが。

焼き魚・卵焼き・かまぼこはシッカリさせ、その他の具は中華風の具。むしろご飯の脇に1つまみながら「カステラ」を採用しているのが、駅弁としては珍しい趣向。掛け紙のデザインも「これ1つで長崎のシロモノ」とわかるのだから、ムリにそう名乗ることもなく、せめて「白い<かもめ>」の写真くらい織り込んでみては。

 

ところで、調整業者を見ていて「あれっ?」と思う方もいるだろう。そう、実は長崎駅には「××商店」のような本当の意味の「地元の業者」の駅弁屋がおらず、JR九州の関連会社が販売していると言う、地方の駅にしては珍しいケースの販売形態。これは国鉄〜JR九州の初期の時代、長崎駅の構内に「日本食堂」の「旅のレストラン」があり、そこが駅弁を手がけていたため。私も一度、<あかつき>を降りて、世話になったことがある。

かつて長崎駅は文字通り、「夜汽車の終着駅」、そして「始発駅」。私が生まれた1975年の頃には、新大阪からの<あかつき>2本に同じく急行<雲仙>、そして東京からの<さくら>と<みずほ>が、この港町へ着いていて、それらには食堂車が連結されていたので、「日食」が直接・・と言うのもわかる話である。JR化後も3本の寝台特急が発着していたが、<のぞみ>などの台頭で<みずほ>が消え、<あかつき>は<彗星>と併結となって規模を縮小。そして、脈々と走りつづけてきた最後の東京行、<さくら>も残念ながら2005年3月1日のダイヤ変更で廃止・・と、時代は変わった。

しかし、距離は短いが、独特のフォルムで快走する「ミレニアム・エクスプレス」こと、「白い<かもめ>」は、日本の代表列車の1つとなった。そういう時代の変化もあり、「日本食堂」は「にっしょく九州」に再編され、<つばめ><ソニック>のワゴンサービスがJR九州の直営になったこともあり、その他の列車の車内販売は「ジェイアール九州トラベルフーズ(JTF)」の担当となった。

その名残りから、長崎駅の駅弁は現在でもそこの長崎事業所が調整しているわけであるが、「地元に根付いた業者」と言っても過言でないほど、「ナガサキ」の文化にこだわった駅弁を多く調整している姿勢は、非常に立派で高い評価をしたい。それだけに、もう少し駅弁大会とか、「九州駅弁」キャンペーンなどにも参加するなど、露出度も上げて欲しい。

 

 

 

 

 


日豊本線:行橋駅 「かしわめし」(小松商店) ¥530

 

 

     

 

小倉(正式には西小倉)から分岐する鹿児島までの日豊本線。そのイの一番に駅弁を販売するのがここ行橋駅。文字通り「北九州の文化」を伝える「かしわめし」がここにもある。西都城を別として、行橋と鳥栖以南の駅に「かしわめし」がほとんどないことを思うと、この付近までが「かしわめしの文化圏」と言えるのかもしれない。

中身は見てのとおり、定番と言えるかしわ・海苔・卵の3色構成だが、「あれっ?」と気付かないだろうか。そう、価格が¥530とぶっちゃけで安い上に、量は折尾の「かしわめし」(¥735の方)並みの量があって、「安くて味もまあまあうまく、ボリュームもタップリ」という、隠れた名品と言える。

もっとも、他の駅のシロモノと比べると、「ああ、まあこれなら安いのもわかるけど・・」という感じだろうか。明らかに他の駅のそれと比べて、コストのかかる「かしわ」が少なくしてありますよね (笑)。しかし、「安いシロモノを提供するためなら」、こう言う方法もあり・・と思う。

少しご飯が固いような気もしたが、ぜひオススメしたい一品。悪いシロモノではないのに、少し気になったことがある。行橋駅は日豊本線が発着し、<富士>を含めた全ての特急が停まる。駅も2面4線で高架化され、デザインも非常に凝ったものとなり、平成筑豊鉄道も発着する。その割には、ホーム・コンコースともほとんど人影がなく、昼下がりとは言え1月4日の帰省シーズンでこれでは、先が思いやられる感じがする。

この現状では、売店に行ってみると、「かしわめし」と「幕の内」を積み上げるのが精一杯なのもわかる感じがし、よく健闘していると言えよう。なお、よう食べない食材なので、ここには掲載しないが、行橋駅にはもう1つ、「しゃこめし」という有名駅弁があるが、完全予約制。

 

 

 

 


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