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山陰地方(但馬地方と鳥取駅)の駅弁

※京都府・兵庫県内の山陰本線と、鳥取駅の駅弁は「米子駅と島根県の駅弁」に移転しました。

 

 

山陰本線:福知山駅・豊岡駅・城崎駅 「日本海名産 いかずし」(たで川) ¥600  期間限定   

 

    

 

北海道、森駅の「いかめし」とは気色が異なり、生のイカと酢飯で構成されている。酢飯にはしその葉が巻かれており、風味も満点。小さいことは小さいが、ボリュームも満点。価格も非常に安価だが、基本的に7〜9月の「超短期限定」で、「駅弁の達人」キャンペーンに参加している人にとっては、非常に泣かせる存在(但し、筆者は6月に購入)。

 

 

 


山陰本線:福知山駅・豊岡駅・城崎駅 「但馬名物 かにずし」(たで川) ¥920

 

 

 

山陽本線や瀬戸内海各地の駅に穴子を使用した駅弁が多くあるのに対して、日本海を縫うように走る山陰本線各駅では、「かに」を取り入れた駅弁が非常に多い。「かに」の弾力などは後で紹介する鳥取の「元祖かに寿司」と比べると劣るが、酢飯独特の強い風味は感じず、クセがなく食べやすい感じだ。

 

 

 

 

 


山陰本線:福知山駅・豊岡駅・城崎駅 「城崎のかにずし」(たで川) ¥1,120   

 

 

 

大きく上のシロモノとは変わらないが、¥200アップで3種類の寿司が楽しめるようにしたシロモノ。この2つはかつて皇室の方がこの地を訪れた際に食した駅弁としても知られ、一定の評価を得ているが、世の中に出回る「皇室御用達」とか「宮内庁御用達」というのは、「お墨付き」ではないので念のため。

福知山にはかつて別の駅弁屋があり、深夜の下り急行<だいせん>向けにホームでワゴン販売があったようだが、現在その駅弁屋は撤退、「たで川」は豊岡の駅弁屋。

 

 

 

 

 


山陰本線:福知山駅・豊岡駅・城崎駅 「但馬路名物 牛弁」(たで川) ¥980

 

 

     

 

日本海の名産はカニであることは言うまでもないわけで、「たで川」がカニを中心とした海の幸をふんだんに使用した駅弁を販売しているのは言うまでもない。しかし、但馬地方にはもう1つ特産品があり、それはこの「但馬牛」である。比較的コンパクトなハコながら結構深いためズシリと重くご飯が詰まっており、どことなく松阪の「モー太郎弁当」を思い起こすが、ご飯の量はこちらの方が圧倒的に多く、ボリュームタップリ。

肉の方はさすがに松阪の駅弁群には劣るが、牛肉と言う高価な食材を使用して、これだけの内容とボリュームの割には、¥980と安価で、姫路・豊岡の両駅を経由する特急<はまかぜ>に乗ったならば、姫路の「焼肉弁当」に手を出すくらいなら、圧倒的にこちらがオススメ。もちろん、全列車ではないだろうが、<はまかぜ>や<北近畿>の車内販売でも扱う。この地区には周辺の駅弁屋が出資してこしらえた車販専門会社、「福鉄構内営業株式会社」(福鉄とはかつての「福知山鉄道管理局」のことだろう)が車販を担当していることが多く、東北本線沿線や四国でこの手の会社が解散の憂き目にあったことを思うと、元気に活躍する様は古きよき時代を今に伝える貴重な存在の1つと思う。

駅弁大会などで食べる時は電子レンジで温めるのがよいだろう。箱はプラスチックの比較的頑丈なもので、弁当箱への再利用に最適で、パッケージにも進める旨が明記してある。

 

 

 

 


山陰本線:浜坂駅(前) 「かに寿し」(コスモスヨネダ) ¥900

 

 

    

 

浜坂駅にもかつて駅弁屋がいたのだが、山陰本線の城崎電化で京都行の特急<あさしお>が、特急<スーパーはくと>の台頭の陰で<はまかぜ>の本数が減ったり香住で折り返し便が出来たりしたため、駅弁販売から撤退してしまった。しかし浜坂駅の「かに寿し」を評価する声が多く、その熱い声に押されて復活したシロモノ。

今でも間違いなく同じ業者の調整だが、現在はその駅弁屋が浜坂駅前(駅舎左隣)で「コスモスヨネダ」というコンビニを経営しており、そのコンビニ内で販売されている。駅弁のとなりには「コスヨネの2階で作っています。コスヨネがかつて駅弁屋だったこと、ご存知でしたか?」とPRに余念が無い。

今でも堂々と「駅弁」マークを付けているのが特徴だが、さまざまな人の話を総合すると「残念ながら『現役時代』の頃と比べるとカニからして変わっているのでは。あの頃の味とは違う」という声が多いようだ。しかし「城崎のかに寿し」よりもうまい、という人もいるなど、いずれにしても手を出して損はないようだ。

自分で食べてみた感想は、カニをはじめとした具材はまずまずで、下の鳥取の「元祖かに寿し」と比べて、酢の強さも押さえ気味。ただご飯はふっくらしているものの、ややベタつき気味。

 

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「元祖かに寿司」(アベ鳥取堂) ¥920  

 

 

 

    

 

鳥取駅の代表駅弁、そして全国の「かに」を使用した駅弁の中でもパイオニア的存在として、全国に名が知られている駅弁。まずなんと言ってもハコの見た目が美しく、カニの赤と、日本海をイメージさせる青色が絶妙のコントラストだ。中身は全国どこにでもあるような「かに寿司」なのかも知れないが、ことに「元祖」の名が付く理由は、アベ鳥取堂は「かに」のフレッシュ保存の技術を生かして日本で初めて、通年「かに」を使用した駅弁の販売を他に先駆けて販売したからである。

販売が開始されたのは昭和27年と非常に歴史が長く、通年販売も昭和33年からの大ロングセラーである。ハコだけでなく、八角系の容器も「かに」の甲羅をイメージして考案されたもので、これもアベ鳥取堂が最初である。日本海の「かに」は決して安い価格では手に入らず、それをふんだんに使用する割に値段も手ごろなので、ぜひお試しあれ。

実際に食べて見るとやや酢が強いことがあるのが気になるところ。しかしそれは駅弁大会や車内販売などでの商品だと、事故を防ぐためその傾向が出るようだが、現地の鳥取駅で販売されるものについては、それなりに押さえ気味に調整してあるようだ。しかし「寿し」のせいか、ある程度気になるにおいはあえて調合しているようだ。口直しの塩コンブもうまい。

 

鳥取は言うまでもなく鳥取県の県庁所在地で、「鳥取砂丘」という一大観光地もひかえているが、現在では県庁所在地の中で日本で唯一高速道路が全く通っておらず、市内の「中国自動車道 津山IC 67KM」という看板は鳥取市民にとっても屈辱ともいえる。また駅は立派な高架構造であるが、1日1往復の東京行ブルトレ<出雲>を除くとやってくるのは気動車ばかりである。

人口こそ150,000人とさすがに西部の米子市や境港市、中部の倉吉市の人口を凌ぐが、周辺とのバランスに難があるせいかどこか「動きにくい」というイメージがある。

その代わり山陰本線もこの付近まで来ると京阪神方面へ向かう人の流れが活発で、国道9号線に「京都まであと×キロ」という看板が目立つようになるのもこの付近からで、鳥取県に本拠を置くバス会社も大昔から大阪行の特急バスの運行を行なっている。鳥取から京都へは餘部鉄橋を渡る<あさしお>、大阪へは同じく<はまかぜ>、岡山へは津山経由の急行<砂丘>・・と相場が決まっていたが、現在では京阪神方面の需要は新線の智頭急行を経由する<スーパーはくと>に取って代わられた。

<スーパーはくと>の勢いはまさに「うさぎ飛び」の勢いで、増発が相次ぎ伊丹への航空便を運休に追い込んでバス会社を赤字に転落させたこともある。岡山行も新車の特急<スーパーいなば>に置き換えられ、俄然鳥取駅も勢いを吹き返した。

鳥取駅ではホームの売店こそあまり遅い時間までは営業しないものの、駅舎の売店では帰りに一杯〜・・というのに最適な駅弁、「とっとりの居酒屋」(少し下を参照)も用意している。駅弁だけでなく、一部コンビニ風の弁当もアベ鳥取堂が調整している。また<スーパーはくと>では「元祖かに寿司」の車内販売はもとより、アベ鳥取堂自らが乗り込んで車内販売を担当している列車もある(全列車ではないが、他業者でも商品は共通で、「かに寿司」もあるとのこと。但し朝の下りはムリだろうが)。

しかしながら、周辺路線の凋落振りもひどく、鳥取駅から発車する<はまかぜ>1往復も車庫入れを兼ねた1往復だけ、特に餘部橋梁での強風時での運用が難しい。<砂丘>が通った因美線はもはや通り抜けて津山へ出ること自体が難しいほどで、ダイヤも客の流動に合わせたものにもなっておらず、浜坂駅・津山駅の駅弁屋は駅での販売を止めた。近頃地元との協議がまとまって餘部橋梁の架け替えが決まり、明治時代から続いた豪快な橋梁の景色が消えるのは残念だが、「地元の足」として機能するためにも、新橋の完成が待たれるところである。

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「お好みかに寿司」(アベ鳥取堂) ¥1,250

 

 

    

 

「元祖かに寿司」に加え、手巻きと握り寿司を加えた、大変贅沢な駅弁。もちろん具はカニである。その分価格も相当に張るのだが、なぜか不思議なことに「かに寿司」の酢がそれほど強くなく、非常においしく頂けた。「元祖・・」が駅弁大会や車内販売など、少し日持ちを考慮せねばならないところにも出す関係があるのかもしれないが、「元祖・・」よりはこちらをオススメする・・と言っても過言ではない。言うまでもないが、今のところ山陰本線沿線のかに系統の寿司では他の追随を許さないと断言できる。ちなみに口直しに漬物がオマケ。

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「山陰鳥取かにめし」(アベ鳥取堂) ¥1,000

 

 

    

 

「かに寿司」は酢が強くてねえ・・とか、「酢飯はどうも・・」と言う人には、酢飯を使わないこんなシロモノもある。但し飯は白飯ではなく、炊き込み御飯である。いろいろな評判があるだろうが、残念ながら私としては炊き込み御飯とのマッチングがイマイチに感じ、「元祖かに寿司」よりも値が張ることもあって「元祖かに寿司」の方が好み。でもどちらかの駅弁を鳥取に来たらぜひ手を出してみよう。こちらの口直しは「ふくしん漬け」となっており、「酢飯」と「炊き込み御飯」の違いが現れている。

 

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「いかすみ弁当黒めし」(アベ鳥取堂) ¥1,000

 

     

 

 

2004年にデビューした鳥取駅の駅弁の新作。比較的小ぶりなイカの下に、そのイカの黒すみをまぜて炊いたご飯がある。今までこのような色合いの駅弁を見たことがなかったのでちと戸惑いも感じたが、いざ食べてみると、イカは歯ごたえバツグンで食感がよく、ごはんもやや柔らかく炊いたシロモノがバッチシで、見た目とは裏腹に「Vサイン」級の出来栄え。

なお、「アベ鳥取堂」さんの名誉のために付け加えておくが、商品との色のバランスも考えて撮影したが、ちょっと見た目が悪くなってしまった。決して「弔事専用」などの駅弁ではなく、たまたま白い敷物の上で撮影してしまったためのものなので、誤解のないように。

 

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「城下町とっとり」(アベ鳥取堂) ¥1,050    

 

 

    

 

基本的には「鳥取駅の幕の内」。但し、¥820の「砂丘鳥取 味の弁当」という幕の内(下に紹介)があり、駅では「城下町とっとり」と言うよりも、「¥1,050の幕の内」と言う方がとおりがよいらしい。ちなみに宮島口などごく一部の駅を除いてほとんどの駅弁販売駅では幕の内を扱っているが、このように趣向を凝らした名前で幕の内を販売しているケースが多い。いつもならこの手の駅弁にはあまり手が出ないのだが、「駅弁の達人」の対象商品だったため。

しかしながら、「鳥取の観光地」=「鳥取砂丘」というイメージが強い中で、あえて鳥取城を使用したイラストなどで趣向を凝らしているのは「幕の内」で片付けるには惜しいほどの心憎い趣向で、中身も単なる幕の内ではないながらも、「かまぼこ」「卵焼き」「焼き魚」という幕の内の基本はシッカリさせている点が評価できる。

 

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「砂丘鳥取 味の弁当」(アベ鳥取堂) ¥820

 

 

 

   

 

 

それなりに購入意欲をそそる名称だが、内容は典型的な「鳥取駅の幕の内」で、現地でも「¥820の幕の内」と案内される。見たからもわかるとおり、「3種の神器」に代表されるように、「幕の内」の基本を忠実に守り、エビにミートボール、カニかまなどを入れ、ご飯は俵結び。

フライは白身魚・・と言いたいところだが、実はチキンと言うのが、あまり見られないところ。特別にこだわった具はなく、「鳥取駅の駅弁」としての魅力はあまりないが、逆に言うと「当たり外れ」がなく、無難に食べられる食材を、一品一品ていねいに調整しているのが特徴。コンビニが普及する前だったら、当たり前のように「昼食の弁当」として重宝されていただろう。

具材にこだわらなければ味は折り紙付きで、価格が安いこともあって、上の「城下町とっとり」よりもはるかにオススメ。また具に凝ったものがない代わりに、掛け紙が非常にきれいなので、「駅弁コレクター」であれば、思わず手が出てしまう「幕の内」の1つかも知れない。

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「うさぎちゃんの夢 三色寿司」(アベ鳥取堂) ¥950   要予約

 

 

    

 

鳥取のような県庁所在地の大駅の駅弁で、しかも特に手に入りにくいとも思えないような原材料を使用しながら予約が必要と言う珍しい存在の駅弁。ご存知のとおり、この駅弁の由来は「因幡(いなば)の白兎伝説」からであろう。まあまあの値段の割に箱はそれほど大きくはなく、子供向けによさそう。弁当箱としての再利用も容易で、素材を工夫して廃棄する際の配慮もカンペキ。中身は3色のご飯だが、一応寿司とはしているものの、間違っても「かに寿司」のような匂いはなく、手巻きもかわいらしくてミートボールがあるあたり、やはり子供などをターゲットに・・というのがわかる。

それでも味はまあまあで、「なぜに予約制なの?」と聞いたところ、「基本的に(駅弁大会などの)輸送弁当なんですよ」とのこと。やり方自体は感心しないが、前日までに予約すれば現地でも手に入るので、よしとしよう。

 

 


山陰本線:鳥取駅 「山陰鳥取 あご寿し」(アベ鳥取堂) ¥850

 

 

 

    

 

 

「あご」とは「トビウオ」のことで、トビウオを使用した駅弁自体、鳥取と佐世保にしかなく、寿司としては鳥取だけ。食べ方としては刺身やすり身にしてチクワとして食べることが多いらしい。だいたい4〜7月頃に獲れる魚のため、当初は季節限定商品だったそうだが、1985年に冷凍保存に成功して、通年販売するようになったらしい。

中身はシンプルな寿司だが、ご飯はあまり酢の匂いが強くなく、ごまがまぶされているのは、いなり系統の寿司のご飯を共用しているのかも知れない。寿司を黙々と食べるだけなので、量的に飽きてしまうかも知れず、「少しでよい」人には下の商品をオススメする。しかしながらあまり目立たない材料を使う割には、材料自体は高価でないからか、駅弁としては¥850と安価なのも大きなポイントの1つ。

 

 

 

 


山陰本線:鳥取駅 「とっとりの居酒屋」(アベ鳥取堂) ¥1,200

 

 

    

 

鳥取駅は県庁所在地の中心駅と言いながら、ホームの駅弁屋は店じまいが結構早い。そんな駅にも関わらず、日本の駅弁の中でも珍しいコンセプトの駅弁を置いていることは注目に値する。「居酒屋」という名前が示すように、基本的に「酒のつまみ」というコンセプトで製作されているため、ごはんものは左下の「あご寿し」(上の「あご寿司」と同じモノ)と、いかずし程度。

上部の右から2番目は「食後のデザート?」とカン違いするが、実は「器形のスルメ」で、これをさかずきにして酒をついで飲んで下さい・・という、これまた駅弁としてユニークな趣向が面白い。ホームの駅弁売店は店じまいが早いが、改札外の売店は20時30分まで営業しているので、東京行<出雲>で旅立つならぜひ購入して、車内でチビチビ行きたいところ。車内販売はないので酒も一緒に持ち込みたいが、元の食堂車の車両を「フリースペース」として開放しているので、餘部橋梁からのいさり火でも見つつ・・というのも面白そう。<出雲>の時間に確実になら予約が無難だろう。

 

 

 

 


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