東北地方の駅弁
奥羽本線(山形新幹線)・米坂線:米沢駅 「牛肉どまん中」(新きねや) ¥1,000

伊達正宗の出身地、米沢。山形新幹線が停車する米沢駅には2社の駅弁屋が競い合う。2社とも駅弁大会などへも積極的に出品しているようだが、とりあえず新きねやの駅弁を紹介する。
米沢の名物はもちろん米沢牛だが、明治時代から駅弁を販売していた「松川弁当店」は同じ米沢名物の鯉を使用した駅弁を販売したため、すきやき風の駅弁となったらしい。販売当初は米沢牛が有名と言うわけではなかったようだが、現在では日本有数のブランドである。現在では両社とも様々な米沢牛を使用した駅弁を販売しており、「肉を使用した駅弁でもこんなに・・!?」と思わせるほどのメニューが、両社のHPに並ぶ。
その中で現在「新きねや」が強く押し出している駅弁がこの「牛肉どまん中」である。駅弁屋が作った牛丼ともいえる内容で、価格などは牛丼屋と比べるべくもないが、その牛丼屋から一時的に牛丼が姿を消している事実は皮肉と言える。肉の調理方法も1種類ではなく、芸の細かさが特徴だ。なお、「どまんなか」というのは、使用している米のブランドらしい。
奥羽本線(山形新幹線)・米坂線:米沢駅 「米沢牛タン弁当」 ¥1,000(新きねや)

こちらも同じ「新きねや」の商品。この2つはどちらも催事の実演で購入したもので、やはり「牛肉どまん中」を強く押し出してこちらはついでに・・という感じだったが、評判とは裏腹に意外とこちらもうまい。この駅弁の特徴を一つ挙げるならば、うまさもさることながら、そぼろを使う「どまん中」と違って揺れる列車の中で食べやすいことではないか?と思う。
米沢の両社は米沢駅ホームでの販売の他、山形新幹線<つばさ>(上り)で車内販売も行なわれており、開業当初は5個程度しか積み込ませなかったのも、すぐに方針を変えさせたことは言うまでもない。なお、松川弁当店の鯉の弁当は現在も販売されているようだが、現在は予約制の模様。
奥羽本線(山形新幹線)・米坂線:米沢駅 「あったか元祖牛肉弁当」(新きねや) ¥1,100

米沢という土地は、日本でも有数の豪雪地帯。そんな土地ならではの駅弁がこの「あったか元祖牛肉弁当」。同じ新きねやの商品の別の商品には、同社が特許を持つ、カイロの原理を利用した発熱容器を使用しているが、こちらは各地で見られるヒモを引っ張る方式。発熱方式はどうしても発熱ユニットが大きくなることから、容器の大きさの割に上げ底のことが多く、量が少ないケースが散見されるが、この駅弁はほどほどの量がある。中身は「すき焼き丼」のような体裁だが、まさに発熱方式だからこそ商品化できる一品と言えよう。
奥羽本線(山形新幹線)・米坂線:米沢駅 「米沢牛肉三昧弁当」(新きねや) ¥1,050

前記の通り、新きねやは最近「牛肉どまんなか」を強く押し出していることもあってか、私もあまり聞いた事がなかった駅弁だが、1月の地元の百貨店の後、4月の別の場所の駅弁大会に出品された。「どまんなか」はもちろん出品されていたものの、前回のことを考えてカブリを避けて出品したのかも知れない。
この肉は「焼き肉」風に仕上げているのが特徴で、上記の3つとはまた違った味わいが楽しめる。たまごにタラコと見た目もきれいで、これまたボリュームもタップリで、注目度が低いだけに、なおさら手を出すと面白い一品と言えよう。
米沢の駅弁屋の2社の駅弁は、遠く中国地方に住む私にも大変魅力的な商品ばかりで、いつか現地で購入してみたいと思わせるものばかりと言えるが、米沢という街の規模を思うと、商品の数ほど駅弁が売れるのかな?と思わせるほどである。実際に米沢に行って買おうとすると、「全部買ってもとても食べきれない・・」というぜいたくな悩みが出てしまいそうな気もする。